世間では、趣味や資格などさまざまなスクールが開かれています。スクールを開業することは、自分の好きなことや得意分野をレクチャーする仕事なので非常に人気のある仕事です。しかし、どのような準備が必要になるのかわからない方も多いでしょう。ここでは、スクール準備に必要な準備や費用、知識などを紹介します。
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スクールのコンセプトを決める
スクールを開業する際に、最初に明確にしておきたいのが「コンセプト」です。コンセプトとは、教室の方向性や役割、どのような価値を提供する場所なのかを定義したものです。
これがはっきりしていないと、レッスン内容や料金体系、ターゲット設定、集客方法など、あらゆる判断の基準が曖昧になり、結果として伝わりにくいスクールになってしまいます。まずは「どんな教室をつくりたいのか」を言語化することから始めましょう。
何を教えるのかをはっきりさせる
まず、どんな知識・技術を提供するスクールにするのかを整理します。その際は、自分が情熱を持って継続してきた分野かどうかが大切です。「得意である」「好きである」「人に説明できる」ことが基本条件になります。
また、そのテーマに対して「学びたい」と思う人が一定数いるかどうかも重要です。市場のニーズや近隣の教室の傾向などを事前に調べておくことで、テーマが実際に選ばれやすいものか判断できます。
誰に来てもらう教室なのかを具体化する
次に、生徒となる人物像を明確にします。年齢・生活スタイル・経験の有無・目的などの観点から整理すると良いでしょう。たとえば、趣味として気軽に楽しみたい人向けなのか、資格取得やスキル向上を目指す人向けなのかによって、授業の進め方や教材は大きく変わります。
明確なターゲット像があるほど、レッスン内容や言葉遣い、宣伝方法に一貫性が生まれ、教室の魅力が伝わりやすくなります。
他の教室と差別化できるポイントを持つ
似た分野のスクールは数多く存在するため、あなたの教室ならではの特徴を打ち出すことが重要です。たとえば、以下のように差別化できるポイントは多岐にわたります。
・最大3名までの少人数制で、一人ひとりのペースに合わせた指導
・オンライン完結で全国から参加可能
・講師の経験をもとにしたオリジナルカリキュラム
価格だけで差別化しようとするのではなく、「どんな価値を提供する場所なのか」を丁寧に表現していくことがポイントです。
このように、最初にコンセプトを明確にしておくことで、スクール運営の土台がしっかりと整います。その結果、経営の方向性がぶれにくくなり、受講者からの信頼にもつながるでしょう。開業準備の段階で、じっくり時間をかけて言語化しておくことが成功への第一歩となります。
スクール開業の事業計画を立てる
スクールを開業するうえで、まず取り組みたいのが事業計画の作成です。事業計画は、教室のコンセプトを実現するための具体的な行動指針であり、運営を軌道に乗せるための土台となります。将来的に融資を受ける場合にも、事業計画は重要な判断材料になります。
教室概要を整理する
はじめに、スクールのコンセプトや提供するサービス内容、ターゲットとなる生徒層を整理します。どのような悩みやニーズに応える教室なのか、自身の強みや他教室との差別化ポイントを明確にすることで、方向性が定まります。
市場調査を行う
次に、開業予定エリアやオンライン上で競合となるスクールを調査します。レッスン内容や価格帯、集客方法などを把握することで、スクールの需要や立ち位置、価格設定の妥当性を判断しやすくなります。
具体的なレッスン内容を決める
レッスンのカリキュラムや1回あたりの時間、開催頻度、料金体系を具体的に決めます。対面かオンラインか、マンツーマンかグループかといった提供形式も、この段階で検討しておくことが大切です。
集客方法を計画する
どのように生徒に教室を知ってもらうかも重要なポイントです。いくら素晴らしいスクールであっても、その存在を知ってもらわなければ生徒を集めることはできません。ホームページやSNS、チラシ、紹介など、ターゲット層に合った集客手段をいくつかリストアップし、比較検討しましょう。
資金計画を立てる
スクールを開業するためには、設備投資や教材費、広告費などの初期費用が必要です。さらに、運営を継続していくための運転資金も欠かせません。
初期費用と毎月のランニングコストを具体的に算出し、売り上げ目標と収支計画を立てましょう。どれくらいの売り上げがあれば利益が出るのか、損益分岐点を把握しておくことで、無理のない経営判断ができるようになります。
スクール開業に必要な手続きの確認
事業計画と並行して、スクール開業に必要な手続きを確認しておくことも欠かせません。事前に準備を進めておくことで、安心して事業をスタートできます。
ここでは、スクール開業に必要となる主な手続きを紹介します。
開業届の提出
個人でスクールを運営する場合、多くは「個人事業主」として開業します。その際、原則として事業開始から1か月以内に、管轄の税務署へ開業届を提出する必要があります。
書類は、税務署の窓口で入手することができ、国税庁のウェブサイトからダウンロードも可能です。記入方法が分からない場合は税務署で相談するといいでしょう。
青色申告承認申請書の提出
確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除などの税務上のメリットを受けられます。
ただし、青色申告を行うには、税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。提出期限は、原則としてその年の3月15日までとなっています。(その年の1月16日以降に新規開業した場合は、事業開始日から2か月以内)
提出が遅れてもとくに罰則などはありませんが、メリットを受けるには期限を守ることが重要です。くわしくは、所轄の税務署に問い合わせてみましょう。
許認可の確認
スクールの内容によっては、特別な許認可や資格が必要になる場合があります。たとえば、食品を扱う教室では保健所の営業許可、生徒の身体に触れる施術を行う場合は資格の取得が求められることがあります。自身の教室が該当するか分からない場合は、事前に自治体の担当窓口や保健所、関係機関へ確認しておくことが大切です。
このように、スクールの内容によって必要な手続きは異なります。基本的には開業届の提出が求められますが、青色申告や許認可は事業内容によって要否が異なります。なお、青色申告を行う場合は、開業届と同時に提出しておくとスムーズです。
あらかじめ関係機関に確認し、必要な手続きは早めに済ませておきましょう。
スクール開業に必要な準備
スクールの開業には、まずスクールを開く教室を準備しないといけません。
自宅でスクールを開く人もいれば、賃貸物件を利用する人や空き物件を購入する人もいます。予算や取り扱う内容、生徒の人数、場所などによって必要となる条件は変わるため、よく検討しましょう。
次に、必要な人材や教育の準備が必要です。開業した人がひとりで運営しているスクールもありますが、取り扱う内容や規模によっては他のスタッフが必要となる場合もあります。
人に知識や技術をレクチャーする仕事であるため、スタッフひとりひとりが専門的な知識を持っている必要があります。知識量に応じて研修会などを開き、クオリティの底上げをおこないましょう。
スクールの開業自体には、必ずしも特別な資格や免許を持っている必要はありません。しかし、専門的な知識を持っている証である資格や免許などの実績には説得力があり、生徒や保護者などの安心や顧客獲得にもつながります。あるに越したことはないので、ぜひ資格や技能の取得にチャレンジしてみましょう。
また、法人ではなく個人でスクールを開業する場合には、税務署に開業届を提出する必要があります。事業を開始してから1か月以内の提出が必要で、受付は平日となるため準備は早めにおこなっておきましょう。
スクール開業にかかる費用
スクール開業には、いったいどれくらいの金額がかかるのでしょうか。一般的には、約290万円の初期費用がかかるといわれています。
その内訳は、物件にかかる費用が約110万円、内装の工事費が約80万円、什器や備品代が約60万円、教材費が約20万円、広告などに約20万円となっています。
しかし、これらはあくまでも一例です。スクールの取り扱う内容や規模によっても、必要な費用は大きく変動します。
とくに、物件や設備などは一番費用がかかります。そのため、スポーツ教室やダンススクールなど、広い土地を必要とするスクールではより高額となりやすいです。
逆に、英会話スクールやスマホスクールなどの広さを必要としないスクールであれば、費用を抑えることが可能です。もしフランチャイズでスクールを開業する場合は、そのほかにもFC加盟料などを本部に支払う必要が出てきます。必要な資金は、細かく調べた上で用意するようにしましょう。
また、実際にスクールの運営がはじまると、ランニングコストが発生します。スタッフを雇った場合は人件費、賃貸物件を借りた場合は家賃、そのほか光熱費や通信料、教材費、備品代なども必要です。
フランチャイズスクールでは、本部にロイヤリティを支払う必要もあります。これらのランニングコストは、生徒からの月謝や会費から回収しなければなりません。
スクールの内容や生徒の数によって収入が変わってくるため、収入の見込みを計算しながらランニングコストを算出する必要があります。
スクール開業に必要な事前知識
スクール開業は、最適な場所でおこなうことが重要です。開業したいジャンルがその土地で需要があるか、想定する生徒の年齢層や職業はそのエリアに合っているかなど、しっかりと見極めた上で場所を選定しましょう。
また、周りに同じジャンルのスクールが多いと、生徒の取り合いになってしまいます。よほど際立った魅力がない限りは、勝ち残っていくのは難しいでしょう。
規模の小さなスクールでは、集客にも苦労するかもしれません。そのため、スクールを開業する際は近隣に競合がないか必ず確認しましょう。
そして宣伝は、チラシのポスティングやインターネットを利用するとよいでしょう。とくに、スクールの評判は口コミによる影響が大きいです。
実際に通っている生徒を満足させられるスクールであれば、知人同士やSNSによる拡散で認知度も高まるでしょう。まずは専門的な知識や技術を生徒に的確に指導できることが重要です。そのためには、常に最新の情報にアンテナを張り、講師自身も日々勉強し続ける必要があります。
付随する業務として、事務作業や経理作業、設備のメンテナンスなどもあります。質の高いサービスを提供し続けるため、どの業務もおろそかにならないよう、必要な人員をそろえましょう。
まとめ
スクールの開業には、好きなことを仕事にできる大きなメリットがあります。オープン時間も自分で設定できるため、副業としておこなう方も多くいます。一方で、競合が多いと思うように生徒が集まらず、初期費用やランニングコストを回収できないことも少なくありません。スクール開業を成功させるためには、まずはしっかりと下調べをし、必要な資金や開業する場所を念入りに選定しましょう。集客にも力を入れ、よい評判を広めることで、生徒が卒業したあとも新しい生徒を迎え入れることができるでしょう。